目あるいは目の周り(まぶた 等)の異常を訴えて来院される患者さまを診療するのが一般眼科です。具体的には、目の痛み・かゆみ、充血、流涙、視力低下、疲れ目、ドライアイ、目の中に異物が入った、目脂が異常に出る、まぶたが腫れている、開きにくいなどの眼症状を訴えている患者さまが対象となります。
診察では、患者さまの目の様子を注意深く観察、訴えを聞くなどし、必要な場合は検査を行うなどして、診断をつけていきます。また、目は他の身体の部位と同様に老化していきます。老眼はよく知られていますが、そのほか白内障や緑内障についても、これまで眼科と全く縁がなかったという方でも早ければ40代を過ぎる頃から何かしらの症状がみられるようになります。これらの病気は初期では気づきにくいとされ、緑内障の場合は病状がゆっくり進行するので、気づいた時には視野が狭くなっていったということもよく見受けられ、さらに放置が続けば失明することもあります。老眼も40代から始まるようになるので、40歳を迎える頃には、健康診断で行われる視力検査だけでなく、定期的に眼科検診を受け、眼疾患につきましても早期発見に努めるようにしてください。
また視力の低下を感じられている場合も当診療科をご受診ください。まず視力低下の原因を調べるための検査をしていきます。その結果、何らかの眼疾患による影響ではなく、屈折異常が原因という場合は、その屈折力を矯正するためのレンズを使用するための検査(視力検査 等)も行います。検査後は、眼鏡あるいはコンタクトレンズを装用するための処方箋を発行いたしますので、眼鏡量販店などで購入される際はご持参ください。
以下のような眼症状があればご受診ください(例)
まぶた(裏側)と強膜を覆っている粘膜のことを結膜と言います。この部分に炎症が起きている状態を結膜炎と言います。原因としては、細菌やウイルスなど病原体に感染するケースとアレルギー(花粉症 等)によるものが挙げられます。主な症状は、目の充血や目脂、目のかゆみ、流涙、目の中の異物感などです。ちなみに小児によく見受けられる「はやり目」はアデノウイルスが原因と言われています。
治療についてですが、感染性で細菌(黄色ブドウ球菌、淋菌、クラミジア 等)が原因の場合は抗菌薬を含む点眼薬を使用します。ウイルスの場合は特効薬がありません。眼症状が強ければ対症療法を行います。またアレルギー性であれば、花粉など原因となるアレルゲンからできるだけ避けられる環境を整え、症状が強ければ抗ヒスタミン薬などの点眼薬を使用していきます。
正式には麦粒腫と呼ばれる眼疾患になります。まつ毛の先や周囲にあるツァイス腺やモール腺、マイボーム腺に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの細菌が感染することで、眼瞼(まぶた)に発赤や腫脹、小さなできもの(白い膿点)がみられるほか、疼痛が現れるようになります。なお膿点が破れ、中身が排出されるようになると症状は和らぐようになります。
治療をする場合、抗菌薬を含む点眼薬や眼軟膏を使用していきます。症状が強く出ている場合は、抗菌薬を内服していきます。また膿点が非常に大きければ、膿点を切開して膿を排出させる治療を行うこともあります。また予防対策として、汚れている手などで目をこすらないようにするということも大切です。
何らかの原因によって涙の量が減少する、あるいは目の表面がすぐ乾きやすくなるといったことで、目を潤せなくなってしまい、それによって目に様々な不快な症状がみられている状態をドライアイと言います。主に眼精疲労、眼痛、目の中の異物感(ゴロゴロする)、涙は出るものの質が伴わないことで目の表面が乾燥しやすい、光をまぶしく感じるなどの眼症状がみられるようになります。
発症の原因については、PCやスマートフォンの画面を長時間見続けることによる目の酷使、コンタクトレンズの装用、気候(冬の季節)や室内が乾燥している、加齢、シェーグレン症候群、ストレス、薬剤による副作用などが挙げられます。
治療に関してですが、症状が軽度であれば人工涙液の点眼、ヒアルロン酸を含んだ点眼薬などを使用していきます。点眼薬では改善が難しい場合は、涙の排水口である涙点に栓(シリコン製のプラグ)をして、涙を溜めやすくすることで症状を改善していく涙点プラグによる治療法などが行われます。
視力が正常というのは、外から角膜に向けて入っていく光が網膜上で結ばれている状態を言います。その際は光が角膜と水晶体を通ることで屈折し、網膜上で結ばれるようになります。これが正視です。俗に言いますとピント(焦点)が合っている状態ということですが、この焦点が網膜上で合わずに、網膜の手前で結ばれる(近視:近くの距離は焦点が合いやすいが、遠くはぼやけて見える)、網膜上よりも奥の方で結ばれる(遠視:近くでも遠くでも焦点は合わせにくい)といったことがあります。これらを屈折異常と言います。ちなみに近視や遠視以外にも、老化による変性で水晶体が硬化することで近くの距離が見えにくくなる老眼のほか、角膜や水晶体にゆがみが発生し、それによって外から入ってきた光が網膜上で1点に集中できないことでぼやけて見えるなどの症状が現れる乱視もあります。
原因に関してですが、近視は親からの遺伝、スマホやゲーム、暗い場所での読書など目に負荷をかけやすい環境要因などが挙げられます。また遠視は小児にみられやすいのも特徴ですが、眼軸が長い、屈折率が低いといったことで起きやすくなります。
治療をする場合ですが、近視の場合は矯正レンズ(眼鏡、コンタクトレンズ)を使用し、網膜上で焦点が合うように調整していきます。遠視も矯正レンズによる調整となりますが、小児の遠視は成長するにつれて正視の状態に改善していくということもあります。ただ、遠視が強い状態にあると斜視や弱視が起きる可能性もあります。また老眼については調節力の低下による近見障害と言われていますが、この場合も矯正レンズを使用していきます。さらに乱視の場合も矯正レンズによる調整となりますが、不正乱視と診断され、あまりにもひどい状態であると判断されると、手術療法が必要となります。